値下げしか武器がなくなったフリーランス制作|それでも生き残るための“差別化の作り方”
保守料年間まとめ払いだと20%オフになります提案=業界の末期症状
私の耳に入ってきた、なんとも痛々しい現状のお話です。
知り合いが、WordPressテーマ制作を個人のエンジニアに依頼してサイトを運営しています。
その個人のエンジニアさんを、ここではAさんとします。
Aさんは、個人でアプリ開発や企業サイト制作を受託して生活している方です。
知り合いは企業を経営しており、Aさんに企業ホームページ制作を依頼していました。
そして、今まで保守料を月額で支払っていました。
2年ほど経った頃、Aさんは突然こう提案してきました。
「保守料を1年分まとめて払っていただければ、20%オフにできます」
なんの脈絡もなく、です。
知人はWeb制作に詳しい私に相談してきました。
「この案件、払った方がいいのか?それとも切るべきか?」
私はその時、
「お支払いしてでも、関係は切らない方が今後のためですよ」
と伝えました。結果として、Aさんは顧客を失うことなく、ことなきを得ました。
本来、保守は「安定収益」です。
それを前倒し、さらに値引きまでして現金化しようとする。
これはつまり、
それだけ資金繰りが厳しい状態にある
という可能性が高いということです。
インボイス制度の影響、税金や社会保険料の支払いなどを考えると、
フリーランスにとって資金繰りは、想像以上に厳しい局面に入っているのだと思います。
なぜフリーランスは値下げ競争に巻き込まれるのか
なぜ、フリーランスはWeb制作の現場で価格競争に巻き込まれやすいのでしょうか。
その原因は、構造的な問題にあります。
- デザイン性だけで提案するため、実績が他と似通ってしまう
- コーディングスキルが横並びで、差をつけにくい
- ポートフォリオ型の提案になりがち
- クライアントは「価格」でしか比較できない
現段階では、誰がやっても似たような成果になりやすい。
私は、このWeb制作業界の構造そのものが問題だと感じています。
そして多くのフリーランスが、
「差別化しなければ」
と焦るあまり、間違った差別化をしてしまっているケースが非常に多いです。
多くのフリーがやってしまう“間違った差別化”
よくある差別化の例です。
- デザインが得意
- コーディングが速い
- レスポンスが早い
- 安くできます
残念ながら、これはすべて、
クライアントにとって「選ぶ理由」にはなりません。
なぜなら、それらは「できて当たり前」と思われているからです。
差別化は「スキル」ではなく「お客様の要望」(ここが一番大事)
ここが、この記事の思想の核心です。
差別化とは、
「自分の技術で何ができるか?」
ではありません。
「お客様の、どんな問題を、どう解決するか?」
です。
これを徹底的にリサーチし、
お客様の悩みに本気で寄り添えるエンジニア・デザイナーにならなければ、
これからの時代、生き残るのはかなり厳しくなっていくと思います。
フリーランスが作るべき“勝てる型”
お客様を分析すると、大きく以下のように分類できます。
- 業種特化(飲食店・美容・士業など)
- 提案特化(集客・予約・導線・相談)
- 運用特化(更新・改善・分析)
ここを突き詰めて、クライアントとの打ち合わせで、
「ぶっちゃけ、何が一番欲しいですか?」
と聞いてみると良いと思います。
同じ業界の人は、ほぼ同じ悩みを抱えています。
その悩みを解決するために、
- 自分は何ができるのか
- 何を強みにするのか
もし今の技術力で足りなければ、
新しい技術を習得し、それを「提案力」に変える。
その姿勢と覚悟が、これからのフリーには必要だと感じています。
値下げしないための具体策(飲食店案件の例)
ここでは、飲食店ホームページ案件を例に、超実務的に考えてみます。
まず、飲食店オーナーはなぜホームページを欲しがるのか。
答えはシンプルです。
- 集客力を上げたいから
- 店のブランド力を上げ、信用を勝ち取りたいから
- 知名度を上げたいから
にもかかわらず、提案が「デザイン中心」になってしまうと、
価格でしか比較されなくなります。
そこで、こう考えます。
- サイト設計・制作 → 集客導線を設計し、来店前の不安を取り除く
- デザイン → 店のブランドを確立し、信用を勝ち取る
- 納品後 → 集客改善・個人運用まで含めた提案
つまり、
価格ではなく、“役割”で売る。
これが、値下げしないための現実的な戦略です。
まとめ:値下げは“戦略”ではなく“敗戦処理”
値下げは、戦略ではありません。
- 値下げ=消耗戦
- 差別化=生存戦略
フリーランスこそ、大手にはできない、
- 細やかな対応
- 業界特化の知見
- 本質的な提案力
- アフターケア
を武器にできます。
クライアントが本当に欲しいものを見つけ、
自分にしかできない提案を作ることができれば、
それは、価格競争に巻き込まれない
ブルーオーシャンな市場になります。
もし、飲食店案件のWeb制作で
「デザインだけの提案」をごり押ししているなら、
こちらの記事もぜひ見てみてください。
新しい扉が開くかもしれません。